THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

人工知能時代の今こそ山本弘が面白い

君は山本弘を知っているか?
知ってる人は知ってるし、知らない人は知らない。


とにかく最近、山本弘がめっぽう面白い。
特に、人工知能が実用段階に入ってきて、これから人工知能と人間がどう暮らしていけばいいのか、そのシミュレーションが既に成されている山本弘のAIもの作品群は、群を抜いて面白い。


最近の海外SFはあまり読んでないのだが、過去に読んだ海外SFに全くひけをとらないダイナミズムとリアリティ。日本にはもっと山本弘が必要なのである。


実を言うとずっと山本弘の話をブログに書きたかったのだが、次から次へと読むのがおもしろすぎて自分の中でどれをどのように読むべきか整理がつかなかったのだ。


ようやく自分の中で一段落してきたので、いま読むべき山本弘作品をいくつか紹介させていただこう。ただし、嬉しいことにまだ全部の山本弘作品を読んだわけではないのでこの推薦図書は暫定版である。とりあえず山本弘にハズレ無し、ということだけ覚えていただきたい。


アイの物語 (角川文庫)

アイの物語 (角川文庫)


まず人工知能という観点から山本弘の世界観に入門したい場合、この作品がうってつけである。短編集なので読みやすい。でありながら、全体としても一本の秀逸な作品として楽しむことができるという構成になっている。


人類とAIはどこにいくのか。アイとはなにか。わくわくしながら読んでいただきたい。


去年はいい年になるだろう(上) (PHP文芸文庫)

去年はいい年になるだろう(上) (PHP文芸文庫)


タイトルだけからは想像つかないが、これもまた人工知能ものである。
現代が舞台として、未来からやってきた人工知能搭載ロボットたちと人類はどう生きるか。人工知能と人類はどのように付き合っていくべきかということに対するヒントを掴むことができるかもしれない。


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地球移動作戦 (下) (ハヤカワ文庫JA)

地球移動作戦 (下) (ハヤカワ文庫JA)


反物質天体が接近し、数年以内に地球が滅亡する!地球を動かさなければ!というダイナミックかつハードな設定と、今で言うVTuberやAIの未来像が人間とどのように共生していくのか、といったことが描かれている。ハラハラ・ドキドキのクライマックスは必見


UFOはもう来ない (PHP文芸文庫)

UFOはもう来ない (PHP文芸文庫)


現代が舞台。UFOものが多い山本弘だが、ついにUFOが来なくなるという話。UFO・・・というか地球外知的生命体と人類との邂逅がメインのストーリーで、一見するとAIとは無関係なのだが、人間とは違う知性とどう意思疎通するのか。これもまた面白い。


神は沈黙せず

神は沈黙せず


これは以前紹介したが、人工生命と遺伝的アルゴリズムによる創発によって群としての人工生命が知能を獲得しようとする話でもある。深層学習以前に書かれた物語にも関わらず、最新の深層学習に通じるビジョンが示されている。



空想物語と科学技術は人類進歩の両輪である、と僕は思う。
優れた科学が進歩しているときこそ、優れた空想物語が必要なのだ。
人類にはもっと山本弘のような作品が必要なのではないか。


そして僕らが日本語を読めることをもっと幸運だと思っていいのではないか。
そんな気がした。