THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

彼女はキョンシーを知らない

接待するよ、と言われてのこのこ台北まで来たわけだが、われわれWeb系IT企業は基本的に接待というものをあまりしない。


食うか食われるかの世界では、たとえその瞬間でステークホルダーでも、数年先のことはわからず、また、いくら個人に(接待という)投資をしても、リターンが得られるとは限らないからである。


逆に業界の外の人から接待を受けるときに、銀座の高級店でコース料理を食べたりするのはもはや面倒くさいと思ってしまう。単に親睦を深めるなら、なにも無駄なカロリーを摂取しなくてもそのへんの焼き鳥屋でいいじゃないか。



まあしかし今日は製造業業界の人間として来てるわけである。
ファブレスとはいえいちおうはメーカーであるので、IT業界と違って、仕事のスパンも長期的だ。「次の予定」が「来年の第二クォーター」なんていうことはザラである。製造業だから、それくらいの遠くを見てやらなければならない。


だからまあ接待というのも独特だった。


「お昼に別の会社との食事で食べ過ぎちゃって・・・」


という彼女は、ランチで食べた料理がいかに素晴らしかったか写真を交えて力説した。


「へー、そんな立派なフレンチがあるんだねえ。参考までに、なんていう店なの?」


彼女が取り出したショップカードを見て、思わずハイボールを吹き出しそうになった。ショップカードは見覚えのあるものだった。そりゃそうだ。ジョエル・ロブション。東京に住んでる人間だって知ってる。



つまり製造業の接待というのは、そういうものなのだ。
ということは当然、この夜景の綺麗なレストランも、それなりのお値段がするに違いない。


本来、デートで使いたいような店かと思ったが、それにしては店内がやけに明るい。周りを見渡すと、先方の女性担当者二人と、こちらの男性二人の我々のテーブル以外は、全員、スーツを着込んだサラリーマンたちだった。


正直、高いものを男同士で食って何が楽しいんだと思わなくもないが、それがここのルールだというのなら従うしかない。


接待で大事なのはなんだろうか。
コミュニケーションだ。当たり前のように思うだろうが、何度接待されてもちゃんとコミュニケーションできない相手というのはよくいる。むしろ、宴席をわざわざ設けてくれるような人こそが、コミュニケーションが苦手なことが多い。苦手だから舞台装置に金を使うしかなくなる。


先方のチームは二人。先輩女性はプロダクト開発の担当者。まだ開発中のプロダクトについてスペックを教えてくれる。もうひとりは若手の営業担当者、キレものだ。


いつものブログと違って、言葉の問題で彼女たちやその同僚がこのエントリを読むことはないだろうから本音で書くと、わりと信頼できる人たちだと思う。


こちらで他の人の接待も受けたが、本人が英語が苦手なせいなのか、それとも根本的におれたちに興味がないのか(それはそれで責められるものではない)、3-4時間一緒に飲んだけど、ぜんぜんコミュニケーションがとれなかった。そのやり方では駄目だ。いかに腹を割って話すという関係性を早く構築するかが重要だと思う。どんな場合でも。


腹を割る、には、自分の弱みを見せる、というのが当然のように入ると思う。
いつも虚勢を張っているだけの人は魅力的には見えない。むしろ自分の弱点を認め、それを大声で笑い飛ばすような人にこそ、本音を打ち明けたくなるのが人情というものだろう。


僕は台湾といえば、幽玄導士だろうというくらいはキョンシーが好きだったのだが、彼女たちは知らないという。


1986年の台湾映画なので、まあ知らないというこもとあるかもしれないが、日本であれだけブームになったのに知らないというのはちょっと驚きだった。


先輩の方の女性のヒーローは「冒険野郎マクガイバー」らしい。「0011ナポレオン・ソロ」も知っていると言っていた。日本とちょっと時間軸がズレてる。


後輩の方の女性は「ミニラが好き」だという。


日本人でも「ミニラ?」と思う人が大半だと思うが、ゴジラの息子の名前である。



【公式】「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」予告 ミニラが初登場するゴジラシリーズの第8作目。


個人的には最近の台湾映画はどれも知らなかった。
これって、アメリカ人がごく普通の日本人にゴジラの話題を振っても「見たことない」という答えが返ってくることが大半な、「シン・ゴジラ」以前の日本の風景そのものかもしれない。


我が国はもはやコンピュータを独自に開発する能力を有していない。
なにかしようとすれば、必ず台湾や深センといった諸外国の力を必要とする。


その中で日本という国の価値が中国などに比べて相対的に低くなっていることは由々しき問題だけれども、いまさら個人の力で覆せるものでもない。ディズニーのフルアニメが無理だったら、日本独自のリミテッドアニメやバンクシステムを進化させて結果として世界で最も多様なアニメーション文化を作り上げたように、日本には日本のやり方があるし、それを模索するしかできることはない。今から外国のマネをしようったっていまさら追いつかない。


すなわち国内ベンダーの創意工夫が一番求められているのが今の時代なのである。
そう考えると、燃えてくるじゃないの。



作戦を奇を持って良しとすべし


久々に吹き替えでAチームのボックスでも見るか。
ちなみにAチームのオープニングのテンションあがるナレーションは日本独自のもの。なくてもかまわないが、あると魅力がもっと増す。こういうことよ、こういうこと。


特攻野郎Aチーム コンプリート DVD BOX

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