THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

実話

 「さん・・・清水さん・・・」


 「あ、なんだよ?」

 
 「例の件ですが、いろいろとご相談したいことがありまして・・・」


 「連休の朝だぞ。日曜日までおれに仕事をさせるな。しかもこれ、どうせ夢だろ」


 「はい、すみません。では週明けに」


 「ほんとだよ」


 ハッ・・・と目が醒めた。
 時計をみると6時ちょい前。勘弁してくれよ。夢の中で仕事させられそうになって起きるなんてさ。
 今日は昼から超会議に行く予定なんだ。


 一眠りして、起きて、でかけようと家を出る。
 スマートフォンに震動。


 「またお前かよ」


 「え、お休み中のところすみません。・・・また?」


 「いや、今朝、夢の中でお前がでてきて仕事の相談をしようとしててさ」


 「すみません。正夢になってしまいまして、それで例の件ですが」


 「日曜だぞ。日曜くらい君も休め」


 「それが緊急でして・・・」


 「そんな緊急性の高い案件あったかな・・・まあいいや、話してみて」


 日曜日に緊急の案件が来ることはまずないが、今は内装工事の最中だった。確認したくなることもあるだろう。


 さて、超会議にでかけるか。ちょっと遅くなってしまった。

 会場に到着する。


 「なんで日本人は初音ミクとかVTuberとか、ジェットコースターとかが好きなのかねえ」


 VRヘッドセットを使うアトラクションで、ジェットコースターを体験する。椅子が動く本格的なやつだ。怖い。怖いわこれはマジで。



 「ちょっと!」



 会場で女性に声をかけられた。咎めるような声だ。見覚えがあるようなないような・・・アニメに出てきそうな美人だった。



 「今日はどうして遅れたの?遅れるなら連絡くれないと」


 あ、思い出した。この子と約束していたんだった。


 「すまん、朝、仕事の電話が掛かってきて遅くなったんだ」


 「私、入り口で待ってたのよ」


 「すまん、本当に」


 「しかも連絡先わかんないから連絡とりようがないし」


 「申し訳ない」


 「このツケは高く付くわよ」


 ゲゲッ
 ・・・っと思ったところで目が醒めた。


 おいかおい夢オチかよ。
 時計を見る。まだ午前7時。「アレクサ、1時間後に起こして」


 再び寝る。
 一時間後に起きて、まず風呂に入る。
 身支度を整え、家の前で待ち合わせる。


 女子二人が登場。さっきのアニメ顔の女の子とは似ても似つかない。よし、出発。


 幕張メッセの駐車場はごった煮のようになっていた。高級車、一般車、痛車。DQNっぽい改造車もあれば、黒塗りのリムジンのようなものもある。


 「VIP専用の駐車場があったはずだけどな・・・」


 そんな疑問を軽くいだきながらも会場に入る。


 「まったく、日本人てのはなんで初音ミクとかVTuberとか好きなんだろうねえ、ジェットコースターとか」


 VTuber Barの前を通り過ぎる。
 ちょうどのじゃロリおじさんがやってる頃だった。


 「ちょっと」


 声をかけられ、振り返る。

 見覚えのある美人が立っていた。背中まである長い長髪の持ち主だ。


 「なによ、ボケーッとして。わたしの顔、忘れちゃったわけじゃないでしょう?」


 「あー!あの!」


 と、人差し指を指すが、相手が誰なのかわからない。ここはいつもの会話テクニックで乗り切るしかない。


 「久しぶりじゃん。どう?最近?なにしてた?」


 「こっちは相変わらずバタバタしてるわ。そっちも忙しそうじゃない」


 ・・・こんな関係性の美人が知り合いに居ただろうか。
 でも見覚えがなくはないんだよなあ。


 毎年ばったり超会議やコミケで会ってしまうコスプレイヤーの友達を思い浮かべる。いや、違う。もっとアニメっぽい。
 ん?アニメ?


 どこからか聞き覚えのある音楽が流れてきた。


 目を覚ますと、アレクサが一時間経過したことを知らせるアラームを鳴らしていた。
 時計を見ると8時。


 つけっぱなしのテレビを見ると、消音状態のまま、シュタインズ・ゲートが流れていた。


 アニメ顔の女
 ああそうか、牧瀬紅莉栖か。


 もう一眠りしようという気はさすがに起きてこない。
 しかし今見ている現実が、夢ではないという保証はない。


 とりあえず、忘れる前に書き残しておこう。
 そう思ってブログをタイプし、公開しておく。


 これが僕だけの夢の中の出来事ではないならば、あなたはこの文章を読んでいることだろう。