THE長文日記

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ダン・ブラウン 「オリジン」読了

 ダ・ヴィンチ・コードの映画が好きで、好きなわりには原作読んでなくて、「天使と悪魔」の映画はイマイチだったなあと思っていたんだけど、そもそも「天使と悪魔」は時系列的にはダ・ヴィンチ・コードより前なのでイマイチ盛り上がりに欠けるのは仕方ないよなあ、と思いつつ。



 10年来の友人であり社員でもあるエリック・マキーバー監督が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門にノミネートされたというのでゆうばんまで行ってきた。


 北海道に行く前に書店に立ち寄ると、ダ・ヴィンチ・コードの作者、ダン・ブラウンの新作「オリジン」が出ている。しかも今度のネタは人工知能


 ダ・ヴィンチ・コードでは、冒頭からCERNの超高速粒子加速器が出てきてマイクロブラックホールがどうのという導入に引き込まれたが、今度は人工知能の話とあっては、読まないわけに行かない。


 結局、往復の飛行機とホテルで上下巻読み終わってしまった。


 スティーブ・ジョブズを思わせる本作の中心人物は見どころ。IT業界にある程度明るい人ならかなり楽しめるんじゃないかと思う。


 今作の舞台はスペイン。

 伝統的なキリスト教国であり、500年以上続く王国でもある。


 ビルバオグッゲンハイム美術館から物語は始まり、マドリッド、そしてバルセロナをまたにかけてサスペンスが展開していく。


 今作の最大の関心事は、天才的プログラマーであり未来学者でもあるエドモンド・カーシュが「発見」したという、「全ての宗教の根幹を揺るがす新事実」である。


 そしてそれはあらゆる人類全てが持つ共通の問い、「我々はどこから来て、どこへ行くのか」に対する答えでもあるという。


 それに答えるカーシュの完璧な「プレゼンテーション」の上演を巡って様々な人物の思惑が交錯し、インターネットを巻き込んだ大騒動に発展する。


 そして怒涛のラストへ向かう。



 ダン・ブラウンの作風として、後味の余韻が長く残る。

 本作のクライマックスでカーシュの「発見」が明かされた時、なるほどやはりなと首肯せざるを得なかった。



 ダン・ブラウンの著作の特徴は、物語はフィクションであるが、登場する地名、施設、宗教団体は全て実名であるということ。


 作者の圧倒的な取材力と類まれなる想像力には舌を巻く。


 自分の専門分野と被るので、もちろん全てがこうは上手く行かないだろうとは思うが、最終的にはあるいはこういうこともあるかもしれない、と納得してしまう。


 特にカーシュのプレゼンテーションはぜひ映像化して欲しいので、早くこれが映画にならないかなー と思ったりする。


 このギョーカイの人には特にオススメです。

 ベストセラーらしく読みやすくテンポがいい