THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

新刊「はじめての深層学習プログラミング」本日発売!  希望する小中高の図書館に寄付します。

 ・・・というわけで、なぜか発売前から書評が出たり、読書メーターで「読了」ボタンが押されたり、いろいろザワついている新刊「はじめての深層学習プログラミング」ですが、いよいよ本日発売です。



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 隣のオライリー本とのセット購入がオススメです。


 しかしよくよく考えると、僕みたいな地方出身の人間は、地方では新刊の発売日が守られたためしがないと諦めているわけですが、最近の事情は違ってきてるんでしょうか。


 だいたい、「発売日」の数日遅れで書店に並ぶことが普通だった気がします。


 そして紙の本というのはいつ触ってもドキドキしますね。まあ自分の本だけですが。


 僕が書く技術書としては、学生時代に書いた「Direct3Dプログラミングガイドブック」から数えて、およそ20年ぶりとなります(まあその途中でプログラムリストのある文系本とかいろいろ書いてますが)。



 そして作家(?)人生で初めて、あの名門、技術評論社から紙の本が出るということで多少緊張しております。


 本書の成立にはものすごく沢山の人々の協力とご支援がありました。基本的に僕は数学が苦手なので、尤度という文字が読めないレベルでした。機械学習に関しても門外漢で、まあ趣味でほそぼそとニューラルネットをいじっていたくらいで、本格的なニューラルネットを書けるようになったのは深層学習を始めたこの1,2年です。


 昔だったらとっくにプログラミングから引退してるはずの年齢の僕が、こんなに刺激的で新しいことを学ぶことが出来たのも、とても若くて才能に溢れた先生たちの温かい指導の賜物です。


 僕が技術書をあまりたくさん書いてこなかったのは、既に「知っている」技術を本にするというのはなかなか難しいからです。


 たとえば最初の本のすぐあとには、C言語C++言語の解説書を書くという企画がありました。ところが何年経っても書けなかった。分かりきっていたからです。分かりきっていることを説明するのはとても難しいのです。


 おもえば当時のDirect3Dは謎が多すぎました。ドキュメントもよくわからないしサンプルは複雑すぎ。あの頃は誰もが「いいからはやくゲームを作らせてよ」と思っていた時代です。


 それを四苦八苦しながらどうにか乗りこなしていく過程が、僕にとっては大きな冒険で、その冒険の記録として技術書が出来た、と考えています。入門書を書くには、まさにその生々しい、技術的冒険の経験がホットなうちでないと難しいわけです。


 深層学習に関して、この出来の悪い生徒を根気強く指導してくれたのは、まだ20代の若くて才能あふれる先生たちでした。そこで学んだことは、僕にとっては全く未知の、そして新たなる技術的冒険でした。実際には、やったあとだからわかりますが、数式で表すと複雑そうに見えても、プログラムに落とすとそんなに難しい話ではありません。数学が苦手な僕は、プログラムに落として初めて理解できるということが数多くありました。実際にはかなりシンプルな計算の繰り返しなのです。


 けれども、そんなシンプルなプログラムが、まるで生き物のようにデータを学習し、生成し、時には伸び悩み、時にはブレークスルーを起こしていく様を眺めていると、圧倒的に知的な興奮がふつふつと湧いてきます。


 この世界の面白さ、素晴らしさを手っ取り早く、一人でも多くの人に伝えたい。今回の本は、なんと僕としては初めての「持ち込み企画」でした。


 自分の勉強メモをベースに丹念に原稿に落としていき、原稿に落としながら出版社を探す、というスタイルでした。せっかくメモをするならみんなが読めるものにしたいし、そうすればもっと沢山の人にこの素晴らしくも魅力的な世界を実体験として知ってもらえるだろうと考えたからです。


 それと並行して、人工知能の最先端の研究者たちに生の声を聞きに行き、別の本としてまとめることができたのは、本当に幸運でした。


 この本のためのインタビューをしたり、この本のために裏側で技術的に検証したりといったことを交互に行い、技術的に得られた知見は、技術書の方に纏めることで効率的に本の形にすることができました。


 既刊「よくわかる人工知能」と、新刊「はじめての深層学習プログラミング」は双子の兄弟みたいな本で、同時に執筆され、互いに影響を与えあっています。そう、まるで量子もつれのように。


 従って、文系に近い人が「はじめての深層学習プログラミング」を読むことを最初から想定していました。具体的には、文化系出身のゴトーが読んである程度は理解できないまでもプログラミングに落とせる、というところを目指しました。


 ゴトーは、うちの会社にきた2年前からプログラミングを見よう見まねで初めて、今は子供向けプログラミング教室や、ドワンゴの主催するN高校の講師として働いています。


 彼に理解出来るということは、たいていの文系の人が、興味を持って勉強すれば十分ついて来れるような内容であることが重要です。


 すると面白いことが起きました。


 また別の文系の社員がAIプログラミング教室を見学していて「僕にも本(の下書き)を読ませてください」と言ってきたのです。



 どうも人工知能というものは、文系理系関係なく、興味の対象となるものであり、プログラミングにさえ挑戦してみたいという気持ちを掻き立てるようです。


 正直に言うと、この世界の動きが早すぎて、もっと掘り下げたかったところ、泣く泣く浅い説明に留めたところもいくつかあります。


 けれども完璧よりは完了を優先すべし(Done is better than perfect)という言葉もありますし、まずはいち早くこの素晴らしくも面白い世界の入り口に立っていただきたい、そんな思いで刊行させていただきます。



 また、本書ですが、平易な言葉で書いた最先端の技術書であるという性格を考え、全国の公立学校のうち、希望する小学校、中学校、高校には本書「はじめての深層学習プログラミング」と「よくわかる人工知能」をセットで、僕から個人的に寄贈させていただきたいと思います。但し、勝手ながら先着10校までとさせていただきます。


 なにかの偶然でこれを図書館で手にした子どもが、突然人工知能のプログラミングに目覚めたら、面白いと思いませんか?


 本書の寄贈をご希望の方は、shimizu@uei.co.jpまでメールをいただければ対応させていただきます。



 また、電子版は出るのか、という問い合わせを頂いているのですが、技術書というのはあまり電子版で読むには向いてない、というのが僕の基本的な考えです。


 PCの前で見比べながらやるわけですからね。


 でも、よく考えるとそれすらもiPadでやるんだとかKindle PaperWhiteで読むんだと言われると、まあそうかもしれません。


 と思ったら、電子版も出てました。



 というわけでいよいよ本日から発売です。

 よろしくお願いいたします。


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