THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

表参道でメディチ家の宮廷料理を食す

 肉とは、時に不思議な出会いをもたらす。


 ひょんなことから知り合った肉友に誘われて、表参道のラルテ沢藤で開かれる不思議な夜会に参加することになった。


 この会のテーマは、書とイタリアン。


 書、すなわち書道である。


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 書道家、橘京身の書にインスパイアされてメニューが決定される。


 そしてメニューそのものは、フィレンツェの名家、メディチ家で振る舞われた宮廷料理をシェフの独創的な解釈で現代に再現するという野心的な試みだ。



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 謎めいたお品書き・・・いやもはやこれはお品書きとは言えない。

 ヒントでしかない。


 このお品書きを見て、どんな料理を想像しようと、すぐに期待は裏切られることになる。

 はるかに完成度の高い複雑な味わいを持つ料理として・・・


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 謎解きの楽しみが多いので、ここではいちいち全ての料理のどこがどうだったと解説するような野暮はやめよう。写真のスープは、見た目からは想像もできない味と香りである。特に素晴らしいと思ったのはパスタ。


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 僕はイタリアンでは滅多に感動したりしないが、このパスタには感動した。


 ほうれん草と牛肉の赤ワイン煮込み、そしてチーズ、さらには白トリュフオイルが完璧なまでのマリアージュを果たしていた。


 シェフはトスカーナで長年の修行を積んだ後、独学で様々な文献をあたってかつてのフィレンツェで栄えたメディチ家の宮廷料理を再現するという大胆な試みに挑戦する。


 文献の中にたった一行しか言及がない料理なども、独特の想像力とセンスで補完するという念の入れようだ。


 メディチ家が人類の文明に果たした功績は決して少なくない。

 何人ものローマ教皇を輩出し、また、パトロンとしてレオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロボッティチェリなどを支援した。


 ローマにいくと、メディチ家の存在感の大きさに驚く。

 メディチ家は18世紀に途絶えたが、今尚イタリアのいたるところにメディチ家ゆかりの建物が数多く残されている。


 イタリアで圧倒的な権勢を誇ったメディチ家の宮廷料理を想像しながら食事をすると、さらに贅沢な気分になることができる。


 ワインとのペアリングも素晴らしく、最後の一口まで飽きさせない。


 非常に贅沢な時間を過ごすことができた。


 コースは定期的に変更されるので、このコースが楽しめるのは今月末まで。

 でも逆に言えば、来月になればまた新しいコースが楽しめるということでもある。


 普段、僕は一見の店の紹介は書かないが、非常に感動したのでここに記す

 興味のある方はぜひ訪れてみていただきたい。

ラルテ沢藤 | 芸術という名のレストラン

http://larte-sawafuji.com