THE長文日記

長文とか短文とかのクレームは一切受け付けません

Evernote、そして牡蠣と熟成肉とRuby、

 Evernoteの外村会長が帰国するというので「肉会を開け」と指令が下り、急遽肉会を開催することになった。場所はうちの店こと格之進F。


 そしてなんと@matzことRubyの開発者であるまつもとゆきひろさんもお見えになるという。

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 「清水くんのために肉デバイスをお土産に買ってきたよ」


 そうおっしゃる外村さんから頂いたのは、赤外線温度計と高速なキッチンサーモメーター。

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 赤外線温度計は、肉の表面温度を瞬時に測ることができる。

 レーザーを照射するとさらにどこの表面温度なのかわかりやすい。


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 もう一つはキッチンサーモメーター。これは肉の内部の温度を測ることのできる機械。

 しかし通常の温度計は熱を測るのに数十秒の時間がかかってしまい、当然、それだけ時間が経つと火加減なども変わってしまうため温度管理が難しいのが実情だ。


 ところがこいつはわずか4秒で肉内部の温度を測ることができる。


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 いつのまにか焼きあがったLボーンステーキ(1.5kg)の表面温度は70度、内部は37度と典型的なレア状態であることがわかった。こいつは凄いぜ。


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 Lボーンていうのは、まさにこういう塊なので、焼き方としては1.5kgくらいがベスト。

 1.5kgの肉を四人で分けるとまあ絶望的に多いんだけど、そこはそれ、アメリカ帰りの外村さんはもりもりと食べていった。


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 そしてファン垂涎のIngressパワーキューブ。

 なんかすごそうだけどただのバッテリーである。


 無駄に光るのがカッコいい。


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 今回、Lボーン以外の赤身肉をチョイスしたわけだけど、先週、格之進の本店で修行をした際、頭のなかに肉の立体地図みたいなものができているので、メニューを見ただけで部位の三次元的な位置がイメージできた。思わぬことだ。


 そして特に覚えようと思ったわけでもないのに、スッと「ランプはイチボと隣り合う部位」だとかがイメージされてきて、「これ、本店でやったやつだ!」と思いだした。すごいぜ格之進ゼミ


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 千葉社長の言葉を思い出した。


 「そもそも牛とは何かってことなんだよね。牛って何で出来てるかって言うと、牧草なの。牧草は大地のミネラルと太陽の光を浴びて育つの。牛はその牧草だけを食べて大きくなるんだよね。すると、牧草で健康的に育った牛さんというのは、いわば地球と太陽のミネラルを凝縮して大きくなっているわけ。それをね、さらに寝かせて熟成させる。もともと凝縮されたミネラルの塊が、さらに熟成されてタンパク質がアミノ酸に変わるの。それが美味しくないわけないよね」



 また、「森は海の恋人」という牡蠣の物語もある。

 牡蠣は海のミネラルを凝縮して大きくなる。

 いい牡蠣を育てるためには、牡蠣のエサとなるバクテリアがきちんと育たなければならない。そのためにはまず海に流れ込む川の上流に広葉樹の森をつくり、広葉樹の落ち葉がフカフカの断層を作り、そこで良質なバクテリアが繁殖して、それが海に流れ込んで牡蠣を育てるという壮大な旅を行わなければならない。そこで岩手県では今、牡蠣の養殖場の上流にある森に広葉樹を植林しようという運動がある。


 さて、僕はまつもとさんの大ファンである。

 が、僕はRubyが取り立てて得意とかRuby言語の大ファンである、というわけではない。まつもとゆきひろさん個人のファンなのだ。


 なぜなのか、今回、同行する人々に「まつもとさんの何が好きなのか」ということを説明していて気がついた。


 まつもとさんは、プログラミング言語通である。

 もう生半可なプログラマではない。


 世の中にはたくさんのプログラマがおり、アルゴリズムを考えるのが得意な人もいれば、少ない道具を組み合わせて手早く「ハック」するのが得意な人も居る。


 しかしその中で、まつもとさんほどの「言語通」はとても少ない。


 世の中に無数に存在するプログラミング言語に精通し、様々な言語の様々なパラダイムを習得し、それぞの言語が持つ特徴と機能のエッセンスを凝縮して開発したのが、Rubyである。


 それはまつもとさんの2つの本を読むとよくわかる。


まつもとゆきひろ コードの未来

まつもとゆきひろ コードの未来


 コードの世界はKindle版も出てるので、僕は紙の本とKindle本と両方持っていて、いつも暇さえあれば読み返している。


 いわばRubyプログラミング言語界という環境のミネラルを凝縮して育った牡蠣や熟成肉のような存在であるのだ。


 熟成肉Ruby

 僕の中では勝手に合点がいったのだった。


 まつもとさんは最近streem*1という新しいプログラミング言語も開発している。


 ストリームベースという、Rubyとは異なるパラダイムの言語である。

 ここにはRubyErlangやその他の関数型言語の影響を受けて、またまつもとさん独自の解釈で魅力的な世界観を実現している。


 たとえばcatを「STDIN|STDOUT」という非常に美しくシンプルに書ける。


 いずれビジュアル言語で表現するには、いっそstreemのようなシンプルだがパワフルなデータフロー言語の方が便利に感じられるかもしれない。MacAutomatorは近いかな(あれは使いづらいけど)。


 とにかく、まあ、楽しかったな。


 外村さん、いつもありがとうございます!