THE長文日記

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台湾電脳雑感とコンパニオン

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今やコンピュータの主要な部分は全て台湾企業で作られている。

ASUSGigabyteMSIAcerなどのマザーボード/PCメーカーはもちろんのこと、先日シャープの連結親会社となったFoxconniPhoneを含めて様々なデバイスを製造している一大企業だ。

台湾。人口僅か2300万人のこの国の人々が、人類の最先端を文字通り切り開いているのだ。

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アジアの新興国の例に漏れず、台湾には電脳街がいくつかある。

台湾の電脳街を覗くと、中国や香港のそれとは全く異なる雰囲気に気づく。

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売り場が圧倒的に洗練されているのだ。

そして中国や香港の電脳街に散見されるような、「あきらかに著作権無視」のような製品や、出所の怪しい製品といったものは一切並んでいない。


その意味では日本よりも健全な電脳街になっている。

一昔前は台湾の電脳街では違法コピーのDVDなどが跋扈していたらしいが、最近はほとんど見なくなったそうだ。

世界の最先端のものが次々と生み出されているこの場所にある電脳街はさぞ凄いのだろうと期待していた僕は、ある意味で肩すかしを食らった。


そういう意味では、実際に手を動かして製品を作っているのは、やはり深圳だ。

Foxconnにしろ、その他の台湾メーカーにしろ、中国大陸に巨大な工場を作って、そこで大量の製品を製造している。


製造地に近い方がモラルが低い場所が多く、そこではスピンアウトしたエンジニア達が怪しいハードウェアビジネスに手を出しているのかも知れない。


ビジネスは主に台湾企業が行っているが、製造は中国、という分業になっている。

とすると、おおもとの設計や思想といったものは、太平洋を挟んで西海岸で行われていることが多い。つまりGoogleAndroidMicrosoftWindows、そしてもちろんAppleといったものだけど、そうした思想は東から西へと動き、逆にモノの流通は、西から東へと動いているというのが面白い。


ベトナムは伝え聞く60年代の日本のようで、深圳は70年代、香港は80年代の日本を感じさせた。そして台湾は、僕からすると90年代の秋葉原のようである。


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その傾向はショウにも見て取れる。コンパニオンだ。


香港でもトレードショウが行われているが、香港のショウにはコンパニオンなんかほとんど居ない。

ただひたすら液晶パネルを作り続けている会社や、キーボードのスイッチ部品を作り続けている会社が無骨に並んでいて、色気の欠片もない。


ところが台北のCOMPUTEXは、まるで90年代の日本を彷彿とさせるように、コンパニオン、コンパニオンの嵐だ。


今やCEATECでもコンパニオンの存在感というのは年々減少してきているのに、この国ではコンパニオンは圧倒的な存在感がある。


さらに海を渡ってラスベガスのCESなんかに行くと、やっぱりコンパニオンなんかほとんど居ないし、バルセロナのMWCも同様だ。


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あちこちでコンパニオンを中心にイベントが組み立てられる。


この国では、たとえば集まった客全員に「AMD!」と叫ばせて、一番速く言えた人にUSBメモリーをプレゼントするなど、原始的なマーケティングが積極的に行われていた。


パッと見はCEATECなんかに似ているが、実際に間近にみると催眠商法を見ているようで少し異様な光景である。


AMDだけでなくnVidiaなど大手チップメーカーがこういう泥臭いマーケティングを展開しているのを見て、少し驚いた。


今回のショウの目玉はなんといってもWindows8・・・のハズだが、なぜかWindows8は実機に触れるものがどのブースでも凄く少なかった。


コンパニオンの多さ、というのが何に連動するかというと、雑誌やインターネットなどの媒体である。

雑誌の誌面はできるだけ華やかにしたい。そのときに美しい女性が居たら自動的に華やかになる。だからこれを撮ってくれ・・・というのがコンパニオンが使われる理由だ。

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そう考えると、台湾の書店に行った時に雑誌が多いのにもまた驚いた。

実は、自国語で書かれた雑誌、特に専門誌が大量に発行されている国というのは意外と少ない。


それだけの読者を確保しなければならないし、それだけ発信するほどの情報がなければならない。

特にアジアではなおさらだ。


中国の場合、確かに人口は多いが、雑誌を買うほど裕福な人々が大量に要る、というイメージがない。

北京の大きな書店に行ったこともあるが、それはとても僕には書店に見えないような荒んだ場所だった。


香港でも書店はあまり立ち寄ったことがない。


そう考えるとCESやMWCは、マスコミや一般消費者向けというよりはトレードショウの正確が強い。

COMPUTEXもトレードショウであることは間違いないが、しかし同時に一般消費者へのアピールも兼ね備えていると考えると、ショウが派手に、コンパニオンが派手になっていくのは自然な流れかも知れない。


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夜は元日経BPの記者だった大槻さんを始めとして現地に暮らすいろいろな人と知り合って飲んだ。

いろいろと表には出せない情報も聞くことが出来たけど、なるほどこれからもう一波乱ありそうだ。


大槻さんによれば、台湾にいると実に簡単に情報が集まるのだと言う。

それは台湾を中継基地として世界中のメーカーがODMの依頼に訪れるからだそうだ。


台湾の中で人脈を作ってしまえば、比較的簡単に、今なにが起きていて、これから何が流行るのかわかるのだという。


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台湾はまた、ベトナムのように原付バイクが市民の足として活躍する"ホンダ・シティ"でもある。

常に暖かい気候は、どこかカリフォルニアの空気を想像した。


これから日本に帰ります